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マイコプラズマにおいて白血球が増加しない理由は?

2008.11.27 Thu

ママ研究者〜人生まだまだこれから〜さんのブログに、
ジスロマックの半減期どうやらマイコプラズマらしい・・・ という
薬理学的な内容と医学的な内容がミックスされた記事が掲載され、
丁度いい勉強だと思って、マイコプラズマについて復習してみました。

そして、コメント欄に
「血液検査では、WBC→(増加なし),CRP(+),赤沈↑(亢進)」と書いたところ、
ママ研究者さんから、「WBC増加なし、はどうしてなんでしょうねー。とふと疑問に思いました。」
と疑問が返されたので、それについて今日は勉強してみようと思います。

さて、WBCとはwhite blood cell、すなわち白血球のことで、
血液中にいる体を守ってくれている重要な存在です。
まず、白血球が増加するとはどういうことかというと、

1) 骨髄などで血球生産が亢進している場合
2) 対内で血球がプールされている場所(脾臓、肺臓、血管辺縁など)から遊出する場合
3) この二つが同時に起こる場合

という過程を経て、白血球数は増加します。
大概は、感染症や組織損傷などの炎症あるいは急性出血などの場合は、
反応性に血球造成が亢進[1)の過程]します。

はてさて、こんなことは教科書を紐解けば簡単に解決するだろうと、
昼休みに教科書をパラパラ見ていました。


白血球数は増加しないことが多く、増加しても10,000/mm3を超えることは少ない。
10,000/mm3を超えるようなときは、重症例や一般細菌との混合感染を疑う。
CRPやESR(赤血球沈降速度)は、ほかの肺炎と同様に上昇する。
寒冷凝集素価の上昇が約半数にみられるといわれている。
[引用 新臨床内科学 第8版 p.1799]


うーん、なぜ増加しないかは書かれていませんでした。
不安になったので、他の教科書も色々調べてみました。


一般的に白血球はいくぶん上昇し未分化細胞を少数伴う
[引用 ハリソン内科学 第2版 p.1054]



白血球数増加はない。CRP陽性、赤沈値亢進、
急性期反応蛋白の増加などの炎症所見がみられる。
寒冷凝集反応は約60%に陽性、GOT、GPT、LDHの
一過性の上昇をみることがある。
[引用 標準呼吸器病学 p.166]



末梢白血球数は多くの場合正常範囲内であるが、
細菌との混合感染があった場合には増加する。
好酸球の増加を伴うことが多い。
CRPの軽度から中程度の上昇、赤沈の亢進が認められる。
[引用 内科学 第9版 p.333]


という風に、書いてある教科書で多少のずれはあるものの、
概ね白血球は増加しないで、その理由はなしというのが大半でした。

前述で述べた通り、感染が起きた場合、大概は白血球数が増加します。
なのに、マイコプラズマのみ増加しない。これはなぜか?
「マイコプラズマというのはそういうものだから」と言えばそれまでですが、
それでは答えになってないし、なぞはなぞのままです。

でも、これだけ多くの教科書を見ても、どこにもその理由が書かれていないというのは、
もしかして一般常識なのかと勘繰りたくなるくらい不思議な現象でした。

最終手段として、医学文献検索サービス -メディカルオンライン
を使ってそういった論文も探してみましたが、
納得が得れるような答えが返ってきませんでした。

ママ研究者さんにバシッと答える目論見でしたが、釈然としない結果のまま終わってしまいました。
いやーとっても悔しいですが、本当いい勉強になりまいた。
もし、なぞが解明したらまたブログにて書こうと思います。

  1. 2008/11/27(木) 17:52:28|
  2. 学んだこと|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:6

コメント

獣医学領域では

初めまして。
白血球は増えるのですが。
人では増えないのですね。
  1. 2008/11/27(木) 18:41:02 |
  2. URL |
  3. K #mQop/nM.
  4. [ 編集]

Kさんへ

興味深いコメントありがとうございます。
まさか獣医学からのアプローチがあるとは思いませんでした。
そうですね、外国で有名なハリソンでは増えると書いてありますが、
国内の内科学の教科書は全て増えないと書いてあります。
教科書の参照論文が1990年のものだったりと、
少々古い感じもしますが、やっぱり増えないのが定説みたいです。
  1. 2008/11/27(木) 18:47:19 |
  2. URL |
  3. シジロ #gPRnWvns
  4. [ 編集]

おじゃまします♪

我がblogへ温かい励ましのコメントを頂きまして、本当にありがとうございました!m(__)m

こたろうくん、有り難くも本日見つかり夕刻に保護されました♪

ネットで顔が見えないとは言え、困ったもの同士で助けあえる事は素晴らしいと思います。

基本、お笑いblogを心がけておりますので宜しければ又遊びにいらしてくださいませ。
では、今後とも宜しくお願いいたします。

PS:再度改めて遊びに来させて頂きたく、リンクさせていただく事をお許しくださいませ。
  1. 2008/11/27(木) 19:04:07 |
  2. URL |
  3. あん金ママ #-
  4. [ 編集]

あん金ママさんへ

まずはこたろうくん見つかって本当によかったですね。
あんな可愛らしい犬が逃げ出したとなればやっぱり心配ですからね。
という僕も犬が逃げて困った経験(今となってはいい思い出ですが)があります。

こちらこそ、コメント&リンクありがとうございました。
また宜しくお願いします。
  1. 2008/11/27(木) 19:19:02 |
  2. URL |
  3. シジロ #gPRnWvns
  4. [ 編集]

シジロさん。

私の疑問について、いろいろ調べてくださってありがとうございます。

私もしっかりと調べる時間がとれないのですが、ずーっと頭の中で考えていました。

通常、細菌感染が起こって、急性に白血球が増加する際、好中球が増えるケースが多い(と思います。)。

例えば、動物実験で、エンドトキシンであるLPS(リポポリサッカライド)で刺激したマウス等では、好中球が炎症部位に集まってきます。

ここからは私の推測ですが、マイコプラズマが細胞壁を持たないことが、白血球を増加させないことと関係しているのかもしれません。(本当にあくまでも推測です。)。LPSなどのエンドトキシンは細胞壁由来の成分だから。

また時間があったら調べてみま〜す。こうやって勉強するのも、とても楽しいです!
  1. 2008/11/28(金) 12:29:58 |
  2. URL |
  3. ママ研究者 #-
  4. [ 編集]

ママ研究者さんへ

>通常、細菌感染が起こって、急性に白血球が増加する際、好中球が増えるケースが多い
まさにその通りだと思います。僕もそのように習いました。
>マイコプラズマが細胞壁を持たないことが、白血球を増加させないことと関係している
なるほど、興味深い推測ですね。僕も微生物学と免疫学の教科書からアプローチしていみます。

正直、マイコプラズマに関してはこんな疑問を持っていませんでした。
でも、尋ねられて「あれ、本当、なんでだろう?」と思いました。
丸暗記していただけでは得れなかった疑問なので、すごく頭が回転しています。

ただ一方でご病気のところ、ましてそれを題材にして勉強しているのに、
かなり失礼だと感じています。
ですが、「こうやって勉強するのも、とても楽しいです」と言って頂き、
本当にうれしいです。
またなにか分かれば記事に書いていこうと思います。
コメントありがとうございました。
  1. 2008/11/28(金) 14:41:24 |
  2. URL |
  3. シジロ #gPRnWvns
  4. [ 編集]

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Author:シジロ
シジロは、
漢字では「之字路」と書きます。
意味は「曲がりくねった道」です。
自分の生き様を表しています。

ロマンは、
伊坂幸太郎さんの作品の名言、
"ロマンはどこだ!?"からかロマンを取り、
シジロロマンと合成しました。

シジロは、
金沢に住むしがない医学生です。
水泳・読書が趣味です。
皆さんと共感できるようなブログを
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最後に、気になる上の写真は、
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